バーがやって来る!
こんにちは
ジャグラー大好きな、ポジオです。
ご覧いただきありがとうございます。
突然、おばちゃんから声を掛けられた。
ジャグラーのGOGOランプが神々しく輝いていて、一向に消える気配がない。
既に5分ぐらい光りっぱなしだ。
『お兄さん!ちょっとお願い!』と目押しを頼まれた。
左リールから順番に揃えたら
『7・7・バー!』
バーが揃った瞬間、
『あらら!そっちじゃないよ!バシッ!』
と右フックが炸裂し左肩を強打、全治10分間の大怪我を負ったw。
愛想笑いしてその場を凌いだが、ここは危険だと思い、切りの良いとこで席を外そうとしたら、またおばちゃんの台がペカ!った。
案の定、
『今度は7でお願いします!』とご丁寧に両手を合わせて拝まれた。
俺はおばちゃんの手足じゃないんだけどなぁ!と思いつつ、浅い回転のペカは
嫌なバーの予感しかしない。
『7・7・7!』
右フックを避ける態勢にしてたが、ファンファーレが鳴り響いてくれて助かった。
それにしても
揃えてあげてる上に、要求までしてくるとは、おばちゃんパワーには脱帽です・・・
頼まれたことをやってあげたのに、逆に怒られるケースって、意外に多かったりする。
子供の頃、近所に豪快な婆さんがいた。
声といい、体格といい、全てが豪快にできてる。
足が不自由なこともあって、近所の僕と幼なじみのYちゃんとで、よく買い物の手伝いをしていた。
当然、お小遣い目当てではあるが、親からも手伝ってあげなさいと、半ば親の命令でもあった。
メモに書いてある品物を買いに行くのだか、これが達筆すぎて読めない。
たぶんこれだろと、適当に品物を選んで買ってくる。
『しそ』が見つからず『しお!の間違いじゃね』と塩を買ったり、『トーフ』は『豆腐』、『だいふく』には『雪見だいふく』のアイスを買った。
当然、叱られた。
豆腐は柔らかい絹ごし、しそは大葉のこと。
だいふくは大福餅。
最初から教えてくれれば、文句言われないで済んだのにと思った。
なぜか当時ゴーストバスターズが流行っていて、『やつらがやって来る!』を『婆~がやって来る!』と、僕らの中では、怖い存在のひとつだった。
正月恒例の福袋!
ビッグサイズの福袋を買って来てとお願いされて、早起きして並んで買ってきた。
中身を見るなり『このタイプじゃないんだよ』『中身見なかった?もっと明るいのがね』
ビッグサイズ福袋を間違わないで買うことで精一杯。さすがに子供心ながら落ち込んだ。
当時は早い者勝ち。開店同時にまるでヌーの大群のような地響きがしたのは覚えてる。
素直に聞くこと。怠けないこと。これだけは守った。
そのうち、僕らも学習機能がついた。
事前に買うものを一つ一つ確認するようになり、売り切れでなかったらどうするのか、値段はどのくらいまでか、後で怒られないために、念入りに確認するようになった。
豆腐も、絹と木綿の確認。
牛乳パックは陳列の奥にある賞味期限の長いものを選んだり、わからないときは店員さんを捕まえて聞いたり、知らず知らずに、知恵がついてきた。
今思えば、よき指導者である。
ある日、いつものようにYちゃんと買い物に行ったら『大福』が安売りしていた。
婆さんの大好物だ。
いつもならスナック菓子を選ぶところを、その日は大福にした。
『なんで大福買ってきた!好きなもん買ってくりゃいいだよ』
いつも通りの怒り口調だったが『皆でいただこうか』と急に優しい顔になり、なんだか楽しそうにお茶を入れはじめた。
庭先にあるハナミズキの葉が赤く色づき始めていた。
◆ 歩み寄りが必要
仕事でも、指示する側と作業する側で、同じような関係を見かける。
適切に指示する、しっかり指示通りこなす。
そこには、見えない信頼関係があり、想定内の結果になれば、お互いハッピーエンドとなって更に信頼関係が深まる。
あまり細かく指示すると、作業に専念し過ぎて、本人の『思考力』がとまる。逆に大ざっぱ過ぎてもいけない。
目的をしっかり把握さえしていれば、トラブルに遭っても、それなりの工夫や適切な対応で切り抜けることだってできる。
でも、そこにたどり着くには、やっぱりお互いの『歩み寄り』がないと上手くいかないと思う。
年末の大掃除に、机上に小物やガラクタが放置され、あまりにも汚かったので、片付けての意味も込め、若手に『机の上汚ないから、綺麗に拭いといて』と頼んだ。
しばらくして戻ったら、小物もガラクタもそのまま。確認したら
『頼まれた通り、拭いておきました』と一言
歩み寄らず、言葉足らず。ちゃんと伝えないといけなかったですね。
帰り際に
上司から意味不明なメールが飛んできた。
座っている席を見ると、目が合ってしまい、何やら不穏な笑みを浮かべている。
嫌なバーの予感・・・
また、バーがやって来る。